自分と相手を守るために必要なこと。ゼロ高で「生きていくための性教育」を行いました!

ゼロ高等学院では2学期基礎教養の「性教育」にて現役産婦人科医の稲葉可奈子氏、一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクションのメンバーを外部講師としてお招きし、授業・ワークショップを行いました。

本プログラムは1ヶ月間毎週火曜日に開催され、「高校生が生きていく上で何を学び、社会へ出ていくべきなのか」を考え、教科書で学ぶ性教育とは違った多角的な視点での学びを特徴としています。

また、全4回中2回は生徒が先生となり、生理についてやLGBTQIAについての授業を行いました。


【稲葉可奈子 プロフィール】

医師・医学博士・産婦人科専門医 

みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表 / メディカルフェムテックコンソーシアム 副代表 / 予防医療普及協会 顧問 / NewsPicksプロピッカー

京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得、大学病院や市中病院での研修を経て、現在は関東中央病院産婦人科勤務、四児の母

子宮頸がんの予防や性教育など、正確な医学情報の効果的な発信に努めている。




日本では毎年約1万人の女性が新たに子宮頸がんと診断され、約2,800人もの尊い命が亡くなっています。

20代の罹患率が高く、検診で早期発見できるがんであるにも関わらず、そのことは学校の授業では教えてもらえていないということが現状としてあります。

”自分の命は自分で守れるように”と産婦人科医である稲葉可奈子先生にHPVワクチンのお話をしていただきました。


・情報を鵜呑みにしない、正しい情報かどうかよく考える

・ワクチンのおかげで人類は感染症から身を守って生き延びている

ということを専門家の視点でエビデンスを用いながらお話いただきました。


参加した生徒からは

「学校では教えて貰えないことを教えて貰える素晴らしい機会だったと思う」


「エビデンスをもとに授業をしていただけたのでワクチンについて安心感を持つことができました。高校3年生になりHPVワクチンの補助は受けられないのですが、妹には接種を進めてみようと思います。コロナワクチンについても大変参考になりました。」


という声がありました。


【一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクション プロフィール】

女性をはじめとするあらゆる性の人が自分を肯定できる社会に向けて、性的同意を広め、性暴力をなくす活動や、性別役割分業を考え直す活動など、当事者同士がつながり共に声をあげることで社会的・政策的変化を起こす「キャンペーン」(草の根運動)を展開しています。目指すのは、皆が自分らしく生き、自由に想いを口にすることができる世界です。



高校生で性的同意という言葉を知っている人は少ないかもしれません。

日本の性教育は、避妊をすることやコンドームを使うことなど、そういった内容がほとんどです。

性について学ぶ機会が少ないことで、メディアの間違った情報を鵜呑みにしやすかったり、性について周りの人に相談しにくいという風潮があります。

そこで、一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクションの皆さんに「同意ワークショップ」を行っていただきました。


ワークショップでは、性との向き合い方を見つめ直す、学ぶ、行動につなげることを目的に行われ、性的バウンダリーを守る方法や、自分の言葉で「同意とは何か」を説明するワークやロールプレイングを通して実際に同意が取れていない状況を体験しました。


生徒からは

「最初は、あまり私には関係ないことだと思っていたけど、誰もが被害者にも加害者にもなり得ると知り、気を付けなきゃいけないなと思った。」


「『あれ、これおかしくない?』と思ったことを見過ごさないよう、うまく言語化して伝えていくことが大事だと思った。」


などといった声をいただきました。



【性教育の先生として授業を行った ゼロ高等学院 2期生 宇土茉里】

LGBTs をはじめとした性のトピックスに関心があり、男女という区分に無理やり押し込もうとすることで男性も女性も、そしてそれ以外の性別の人も生きづらくなっている社会に課題を感じている。広島の任意団体「性暴力・DV・虐待サバイバーを支援するコミュニティひろしま シムト」でライター・デザイナー・エンジニアとして活動中。


中学生ごろから自分の体に対する違和感を強めていき、自身がいわゆるトランスジェンダーであることに気づきました。

大きな悩みであった性について学び、考え詰めた結果、このような授業をさせていただける機会に恵まれ、「自分の迷ったこと・学んだことが役に立つんだ」と嬉しく思っています。


性の問題はしばしば人権の問題に直結します。


例えば、望まぬ妊娠によって心身を傷つけられてしまう方もいますし、セクハラや強制性交、性的虐待などによる「魂の殺人」、同性カップルが共同で家を借りられない問題など、性にまつわる問題で傷つけられてしまう場面が残念ながら存在します。

しかし避妊や性的同意、プライベートパーツ、LGBTs についてなど、性についての知識を持っていれば防げる問題も多くあると思います。


性を知ることは自分の、そしてコミュケーションをとっている相手の心を守ることにつながります。


生理について知っていれば、体調が悪そうな家族・パートナーに「なんでイライラしてんだよ、ムカつく」ではなく「大丈夫? 何かできる?」という言葉が出てくるでしょう。

また相手からも「きょう生理なんだよね、ちょっと助けてほしい」と言いやすくなるはずです。


また僕にとって性を学ぶことは、自分の生き方を探すことでした。

「女性の体を持って生まれたとしても、男性として生きていいんだ」「好きな服を着ていい」「好きな人を好きになっていい」と知ることで、自身の生き方・振る舞い方についての選択肢がどんどん広がっていきました。

中学生の頃には「絶対に女らしくなりたくない」と思っていた僕が、今ではメイクもするし、髪を伸ばしているし、服装は中性的なものを選んでいます。

女性としてではなく、僕個人の選択としてです。

セクシュアルマイノリティであっても、そうでなくても、むしろそんな区分もなくそれぞれの人間が生きやすい人生を選べる社会を願っていますし、「そのための性教育でしょ!」とも思っています。


男女合同の授業で生理や避妊といった体の性についても扱ってきましたが、参加したゼロ高生は茶化したり笑ったりすることなく真剣に授業を受けてくれました。

日本の性に対するタブー意識はこれから大きく変わってくるだろう。そんな確信を抱くことのできた授業でした。

ゼロ高ではこれからも、生徒主体で学べる環境を創出していきます!

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