通信制高校の入試って、結局どんなもの? 種類・内容・不安への向き合い方まで
「通信制高校って、どんな入試があるんですか?」
進路相談の現場で、毎年のように受ける質問です。質問をしてくる中学生や高校生、それから保護者の方の表情を見ていると、たいてい少し肩に力が入っています。落ちたらどうしよう、勉強が間に合わないかもしれない、もう一度受験をやり直すなんて耐えられない──そんな不安が、言葉の隙間から伝わってくるのです。
結論から先にお伝えしてしまうと、通信制高校の入試は、全日制高校の入試とはまったく性格が違います。「落とすための試験」ではなく、「迎え入れるための入り口」と言ったほうが近いかもしれません。だからといって、何の準備もいらないという話でもありません。準備が必要な部分と、力を抜いていい部分とが、はっきり分かれている、というのが正しい表現でしょうか。
この記事では、通信制高校の入試がそもそもどんなものなのか、種類はいくつあるのか、全日制高校とどう違うのか、そして不安を感じたときにどうすればいいのかを、できるだけ分かりやすくお話ししていきます。
通信制高校の入試って、そもそもどういうものなのでしょうか
通信制高校の入試と聞いて、全日制高校のような五教科の学力試験を思い浮かべる方は多いと思います。会場に集まって、緊張しながら問題用紙をめくる、あの光景です。
通信制高校の入試はそれとはかなり違います。多くの学校では、面接と作文、そして書類審査が中心で、筆記試験を実施していない学校が多いです。学力試験を行う学校もありますが、その場合も国語・数学・英語の基礎的な内容にとどまることが一般的で、合否を厳しく振り分けるためのものというよりは、入学後の学習をどう支援していくかを把握するための参考資料に近い位置づけになっています。
なぜそんな仕組みになっているのか。理由はシンプルで、通信制高校という制度そのものが、多様な背景を持つ生徒を受け入れることを前提に設計されているからです。全日制から転校してくる生徒、不登校を経験した生徒、夢を追いかけながら学びたい生徒、社会人になってから学び直したい方。年齢も、学習の進み具合も、まったく違う人たちが集まる場所なのですね。
そんな環境で、ペーパーテストの点数だけで線引きをするのは、そもそも筋が通らない。だから多くの通信制高校は、「これから学びたい気持ちがあるか」「学校とお互いに合うか」を確かめる場として、入試を設計しているわけです。
近年、通信制高校に通う生徒は急増していて、文部科学省の学校基本調査によれば、2024年度の通信制高校在籍者数は約29万人。高校生のおよそ11人に1人が通信制を選んでいる計算になります。
参考:リクルート進学総研「高校生の約10人に1人が通信制課程の生徒に」
これだけ多くの生徒が選んでいるという事実は、それ自体が「通信制高校の入り口はそれほど高くない」という何よりの証拠かもしれません。
まず押さえたい、通信制高校の入試3つのかたち
通信制高校の入試は、入る人の状況によって名前が変わります。同じ「入試」と呼ばれていても、新しく入る場合、別の高校から移ってくる場合、一度辞めてから入り直す場合では、手続きも書類も、受験のタイミングも違ってきます。
新入学──中学校を卒業して、初めて高校に入る
中学校を卒業して、最初の進学先として通信制高校を選ぶ場合がこれにあたります。時期としては全日制高校の受験と同じで、4月入学に向けて1月から3月頃に試験が行われる学校が多いです。
中学校で配布される調査書(内申書)の提出が求められることが一般的で、面接と作文、書類審査というのが基本的なセットになります。学校によっては9月や10月から始まる秋季入学を受け付けているところもあり、こちらは夏前後に出願時期がやってきます。
転入──いまの高校に在籍したまま、別の通信制高校に移る
すでに高校に通っているけれど、何らかの理由で別の学校に移りたい、というケースがこれです。「転入」と「転校」はほぼ同じ意味で使われていて、ポイントはいま在籍している高校を辞めずに、続けて通信制高校に移ることにあります。
これがなぜ大事かというと、転入の場合は学籍に空白期間が生まれず、これまで取得した単位も引き継ぐことが多いからです。同級生と同じ時期に卒業できる可能性も残せます。多くの通信制高校では転入を随時受け付けていて、月初を入学日として毎月のように受け入れている学校も少なくありません。
編入──一度高校を辞めたあと、改めて入り直す
転入と紛らわしいのが、こちらの編入です。違いは一点だけで、すでに前の高校を退学していること。退学から間が空いてしまっている方や、高校を中退した状態から学び直したい方は、編入というかたちで通信制高校に入ることになります。
編入も、以前在籍していた高校で取得した単位は引き継ぐケースが多いので、ゼロからやり直すわけではありません。ただし、入学のタイミングが4月と10月の年2回に限定されている学校もあるため、退学から再入学までの間に少しブランクが生まれることがあります。
全日制高校の入試と、通信制高校の入試は何が違うのか
ここまで読んで、「結局、全日制とそんなに違うものなの?」と感じている方もいるかもしれません。
一番大きな違いは、入試の目的がそもそも違うということです。全日制高校の入試、特に公立高校の一般入試は、基本的に「定員に対して志願者が多いので、点数で振り分ける」という性格を持っています。学力試験の結果と内申点で序列がつき、上から順に合格していく。これはご存じの通りです。
一方、通信制高校の入試は、そういう「振り分け」を主目的にしていません。学校側の関心は、「この生徒は本校で学んでいけそうか」「どんなサポートが必要そうか」を知ることに置かれています。だから、点数で線を引くより、面接で本人の言葉を聞き、作文でその子の背景を知ろうとするわけです。
具体的な違いを、まとめるとこんなふうになります。
- 試験内容:全日制は5教科の学力試験が中心。通信制は面接・作文・書類審査が中心
- 難易度:全日制は学校ごとに偏差値があり明確に序列化。通信制は偏差値が設定されていない学校が大半
- 受験時期:全日制は基本的に年1回(4月入学)。通信制は4月・10月のほか、随時受け入れも多い
- 受験料:全日制公立で2,200円前後、通信制公立で500円前後、私立通信制で5,000〜15,000円程度
こうして並べてみると、両者は同じ「高校入試」と呼ばれていても、別物だということが見えてくるのではないでしょうか。
それから、もう一つお伝えしておきたいのが、通信制高校と全日制高校は併願できるということです。私立の通信制高校は試験日が比較的自由なので、第一志望の全日制が不合格だった場合の進路として、通信制を確保しておくこともできます。ここは進路選びの戦略として、覚えておいて損はないところだと思います。
通信制高校の入試で、本当に問われていること
「面接と作文が中心」と聞くと、それはそれで何を準備すればいいのか分からない、という新しい不安が出てくるかもしれません。ここでは、実際にどんなことが問われるのかを、もう少し具体的に書いてみます。
面接でよく聞かれるのは、こういった質問です。
- どうして通信制高校を選んだのですか
- この学校で、どんなことを学びたいですか
- 将来やってみたいこと、夢のようなものはありますか
特別なことを聞かれているわけではない、ということが分かると思います。受験する生徒本人が、自分の言葉で答えられるかどうかが見られているだけで、難解な時事問題が出されたり、頭の回転の速さを試されたりする場ではありません。
作文のテーマも似た方向性で、「志望理由」「中学時代の思い出」「これからの自分について」といったあたりが定番です。第一学院高等学校が公開している入試解説でも、「上手な文章を書くこと」より「丁寧に、自分の言葉で書くこと」のほうがずっと大切だ、と明言されています。
参考:第一学院高等学校「通信制高校の入試とは?」
要するに、通信制高校の入試で本当に見られているのは、「この子は、この学校でやっていく意志を持っているか」という一点なのです。完璧な志望理由を組み立てる必要はありません。むしろ、つたなくても、自分の言葉で語れることのほうがずっと評価されます。
▼この記事を読んでくださっている方へ
もし「通信制高校に進学したいけれど、入試の不安が拭えない」と感じているなら、堀江貴文が主宰するゼロ高等学院の説明会をのぞいてみてください。学力試験のない選考方式や、入学前に何を準備すればいいのか、在校生のリアルな体験談まで、直接聞ける場が用意されています。資料請求もオンラインで随時受け付けています。
それでも入試に不安を感じたときに、まずやってみたい3つのこと
頭では「通信制高校の入試はそれほど厳しくない」と理解できても、不安というのは理屈で消えるものではありません。試験というだけで体が固くなってしまう方もいますし、過去に受験で苦しい思いをした記憶があれば、なおさらです。
そんなときに、私が現場でお伝えしているのは、おおむね次の3つです。
学校説明会か個別相談に、まず一度参加してみる
不安の正体は、たいてい「分からなさ」です。何が起きるか分からないから怖い。でも、実際に学校の中に入って、先生と話して、在校生の様子を見ると、頭の中の漠然とした怖さは具体的な情報に置き換わります。これだけで、気持ちはずいぶん軽くなります。
最近はオンライン説明会を実施している学校も多く、自宅から気軽に参加できるようになりました。ここで「入試では何を見ますか」「準備しておくことはありますか」と直接聞いてしまうのが、一番早い不安解消法だと思います。
志望理由を、長文ではなく短い言葉で書き出してみる
立派な志望理由を一気に書こうとすると、たいてい筆が止まります。そうではなくて、「なぜこの学校に行きたいのか」を、短い箇条書きで構わないので書き出してみてください。
「自分のペースで勉強したい」「やりたいことに時間を使いたい」「不登校で全日制が合わなかった」──どんな理由でも、書き出してみると自分の輪郭が見えてきます。そこから一文ずつ膨らませていけば、面接でも作文でも、ちゃんと答えられるようになります。
信頼できる大人に、いまの気持ちをそのまま話す
これは入試対策というより、心の準備の話です。不安を一人で抱えていると、どんどん大きくなっていきます。保護者の方でも、中学校の担任の先生でも、塾の先生でも構いません。誰かに「いま、こういうことで悩んでいる」と話してみるだけで、不思議と前に進めるようになります。
通信制高校を選ぶこと自体に後ろめたさを感じている方もいるかもしれませんが、先ほども書いた通り、いまや高校生の11人に1人が選ぶ進路です。決して特別な道ではないということは、最後にもう一度お伝えしておきたいところです。
ちなみに、ゼロ高等学院の「入試」はちょっと変わっています
ここまで通信制高校の入試一般について書いてきましたが、最後に少し変わった例として、堀江貴文が主宰するゼロ高等学院の選考方法をご紹介しておきます。
ゼロ高では、いわゆる入学試験というものがありません。学力試験はもちろん、面接と作文を選考の合否判断に使う、というスタイルでもないのです。代わりに用意されているのが、入学申請フォームの提出と保護者の方も同席しての三者面談という独自の方式です。
入学申請は専用のフォームから提出するかたちで、その後「入学前面談」が設定されます。この面談も、合格・不合格を決めるためのものというより、「ゼロ高がどんな場所か」「本人が何をやりたいか」をすり合わせる対話の場、という位置づけになっています。
なぜこんなスタイルなのか。それは、ゼロ高の教育方針「稼ぐことは、最新の学力」という言葉に答えがあります。点数で生徒を選ぶのではなく、本人が「いま何をしたいか」「これから何を試したいか」を持っているかどうかを大事にしている、ということなのです。
実際、ゼロ高には起業に挑戦している生徒、海外に拠点を置いて活動を始めている生徒、映像作品をつくり続けるクリエイター志望の生徒など、多様な顔ぶれが集まっています。全国に約80名の在籍生徒がいて、それぞれが自分のペースで高校卒業資格の取得と、自分のやりたいことの両立を進めています。
通信制高校の入試が不安だという方にとって、「学力試験がない」「面談はあくまで対話の場」というゼロ高のスタイルは、選択肢として知っておく価値があるのではないかと思います。
▼ゼロ高等学院について、もう少し知りたい方へ
オンライン説明会・資料請求は随時受け付けています。入試課題の中身や、入学前面談の雰囲気、在校生のリアルな話まで、知りたいことを直接聞ける場です。進学・転入・編入のいずれをお考えの方も、お気軽にお問い合わせください。 ▶ ゼロ高等学院 公式サイト
まとめ
通信制高校の入試は、多くの方が想像しているほど厳しいものではありません。これは、不安を抱える方を励ますための慰めではなく、制度上もそう設計されているという話です。
それでも、面接があり作文があり、書類を準備しなければならない以上、「何の準備もいらない」と言うのも違います。大事なのは、自分がなぜ通信制高校に行きたいのか、そこで何をしたいのかを、自分の言葉でぽつぽつとでも語れるようになっておくこと。それさえできていれば、入試そのもので必要以上に心配することはほとんどないと思います。
そして、もし「学力試験のある形式そのものがどうしても怖い」「自分のやりたいことを軸に学校を選びたい」と感じているなら、ゼロ高等学院のような独自の選考方式を持つ学校を知っておくのも、一つの選び方だと思います。
進路の選択肢は、思っているよりずっと広がっています。手前の不安に足を止められないでほしい、というのが、この記事を書きながら一番お伝えしたかったことかもしれません。
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ゼロ高等学院では、一人ひとりの状況に応じた個別相談を行っています。「従来の高校教育に疑問がある」「子どもの個性を活かせる教育を探している」「新しい学び方について詳しく知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
オンラインでの相談も可能ですので、全国どこからでもご参加いただけます。